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 2017年
  3 月
 
 年度末、決算期を迎えるなど例年変動要因が多いこの時期としては、需給バランスが保たれ
 踊り場局面、保合相場、静かな景況が続いている。

 国産材丸太は降雪などの影響があり依然供給が少ないが、価格は保合、横ばい。
 主要な構造材、羽柄材の北米、北欧産地の値上げが強いながら、仕入れに慎重な状況。

 米国の住宅資材市場は好景気が維持され木材価格は高騰している。
 厳しい品質を求められる日本向け2×4部材は20%を超える価格値上げとなった。

 産地価格高、輸入材の入荷減による市場在庫の低水準にも関わらず、先高感があるものの
 流通各社は仕入れに慎重で、相場は保合、横ばいとなった。
 
   
 2017年
  2 月
 
 当期の市況はトランプ政権の経済動向を静観する姿勢が強く、目だった変化は見られない。

 ヒノキ、スギなど合板用丸太は不足しているが、価格が折り合わず集荷に苦戦模様である。
 主要な構造材はプレカット工場へダイレクトに販売され一般市場は荷動きが悪い。
 合板用素材はスギ、カラマツ中心から量的な確保にヒノキを使用する動きが出てきた。

 米国の景気が好調なことから米松など北米産針葉樹の価格は上昇しており、為替動向や
 製造コストの上昇が続く現状では高値安定状態から更なる値上げは困難な市況であるが
 今後の動向が注視される。

 建築需要は分譲住宅が中心となっているが、去年の夏以降の需要ピークは過ぎたものの
 個人向け注文住宅需要も堅調に推移している。
 
   
  2017年
  1 月

  新年あけましておめでとうございます。
 夏以降続いていた個人住宅需要はピークを過ぎ、資材の動きは踊り場の展開となった。
 
 日本向けラワン合板の供給が不安定となり、合板の原材料は国産材スギ、ヒノキ、カラマツ
 へとシフトが進み、合板工場への丸太の供給不足が続いている。
 一般製材用の原木の動きにも少なからず影響し、ヒノキ、杉の相場はしっかりしている。

 『AMERICA FIRST』を掲げるトランプ新大統領の誕生と共和党の保守的な政策は世界経済の
 貿易やナショナリズムの転換期となる。これまでのスタンダードとして成り立った多国間の
 協調や相互依存、外交による紛争解決などは、指針を喪失しかけている。
 そのような不透明な状況の中、円高や原油高によるコスト上昇が続き、厳しい幕明けとなった。

 
 2016年
  12 月
 
 個人向け低金利により12月も引き続きプレカット工場はフル稼働しているが、年度末引き渡し
 物件の工事は終盤に差し掛かてきた。来年2月以降の受注は不透明である。

 国産材丸太素材はヒノキの引き合いが増えているが、入荷が少なく価格は強含み
 丸太の価格上昇は土台、柱など主要な構造材製材品の値上げへ連動している。

 為替相場が円安傾向が続いており、新規の輸入材の契約が進んでいない。
 輸入材の価格は、需給バランスが改善され強含み横ばいで年越しとなる見込み。

 円安、株高、産油国の原油の生産調整など生産コストを押し上げる要因ばかりで来年初からの
 経済動向は不透明、波乱含みの気配が濃く、注視を要する。

 
 2016年
  11 月
 
 アメリカ大統領選挙で共和党トランプが勝利して、国際的な政治、経済の政策転換が懸念される。
 自動車産業など主な対日経済だけでなく、原油や金融、農産物に至るまで不透明な状況。

 国産材丸太の市場は、合板用、製材用とも11月には底打スギ、ヒノキとも価格が強くなった。
 ヒノキの主要構造材の柱、土台が不足気味だが、製材品の価格は現状横ばい。
 来年3月年度末までの引き渡し物件の建築は今がピークを迎えて、プレカット工場はフル稼働。
 合板や間柱など引き合いが多いアイテムの入荷が遅れている。

 110円〜115円の円安傾向がしばらく続く状況や需要のピークを迎えた時期的な要因から
 新規の輸入材の入荷が絞られ、木材市況は強含みが続くと思われる。
 
 
 2016年
  10 月
 
 個人向け住宅資金が低金利が続いて、5月以降の住宅建築需要は高い水準を維持している。
 プレカット工場の受注は好調だが、構造材、羽柄材とも主要な品目の価格に変動がない。
 産地メーカーや輸入元商社のプレカット工場への物流取引が主流となり、一般市場は低迷。
 
 天候不順により杉、ヒノキの素材、丸太は供給が減り、価格は強含み。
 柱、土台など構造材メーカーは値上げ姿勢を示すが、価格は横ばいとなっている。
 北米材、北欧材とも輸入量と出荷のバランスが取れて、比較的この時期としては相場は安定。

 ラワン合板から針葉樹合板へのシフトが進み、ラワン合板は今後急速に減少するかもしれない。
 インドネシアなど産地の原木不足と品質低下が、日本向け出荷にしわ寄せがきている。
 値上げが見込めない日本から中東や中国、インドなどへ輸出先をシフトしていく可能性が
 指摘されている。

 道路工事など公共事業の工事は職人不足により、細分化され工期の遅れにつながっている。

 
 2016年
  9 月

 地震や大型台風などの気候変動とも言える天候不順が続いています。
 長引く円高、日銀の金融政策の手詰まり感、消費税値上げ再延期など、世論は経済環境に
 天候不順へ抱くような重い不透明感を感じているのではないでしょうか?

 プレカット工場の受注は低金利に支えられ、7月以降順調に伸びている。
 一方、丸太素材、製品、合板建材などの主要品目の物流は、流通飛ばし傾向が続き
 生産メーカーからプレカット工場への直売が当たり前となって市場や流通の荷動きは悪い。

 円高により春先不足していた北欧材間柱、積層柱などの市場価格は小幅の下げに転じた。
 主要な品目に供給、需要の均衡が保たれ市場価格に大きな変動がない。
 
 大手の合板メーカーはラワンから国産針葉樹に生産のシフトが進み、プレカット工場への
 直販を優先することで、安定価格を志向し、大きな利益を上げている。
 原材料となる杉やカラマツなど仕入れ価格は、山林所有者や生産者にしわ寄せがいく。
 公共財ともいえる森林という資源を原材料とする以上、価格の安定という大義だけでなく、
 利益を公平に還元する社会的な仕組みが望まれる。

 
 2016年
  8 月

 7月以降英国のEU離脱を機に急激な円高を招き輸出関連企業は打撃を受けている。
 円高により原材料の輸入が増加傾向になる一方、北米、北欧、国産の生産、供給、需要の
 シェア分布は10年前とは様変わりしており、木材価格への影響は小さくなっている。
 為替変動にはタイムラグが出るため、9月以降の秋需時期の価格動向は注視が必要である。

 輸入合板は円高により値下がり、針葉樹合板はプレカット向け市場が堅実なことや合板メー
 カーの火災事故による生産量の低下などが影響しほぼ値上げとなった。

 国内の原木市場は依然出材減が続くが、例年に比べ価格的な動きは鈍い。
 北欧材、北米材とも輸入は増加しているものの為替動向を見ながら買い手サイドは慎重である。

 毎年8月の夏場時期は休日も多く業種を問わず売上は減少するが、9月以降の秋需に
 大きな期待を描けられそうにない厳しい局面である。
 
 
 2016年
  7 月
 
 7月の市況は需要、供給双方に好材料がなく、市場価格は横ばい。
 日銀のマイナス金利政策により金融機関の住宅向け金利が最低基準にあり、リフォーム需要や
 大手ビルダーの受注や分譲住宅の市場は堅調である。

 梅雨から夏場には虫やカビが発生することが国産丸太の供給、消費を減少させている。
 国産材製材品は主要構造材の動きは悪く、間柱など羽柄材中心の荷動きである。
 為替が円高に振れて主要な輸入製材品の新規の契約も少なく、入荷は減少している。
 北米産大径木カスタムカットは特に入手が困難な状況が続いて、樹種、用途により不足している。
 
 
 
 2016年
  6 月
 
 阿部政権が消費税再値上げの2017年4月から2019年10月へ2年半延期を決定。
 イギリスの国民投票によるEU離脱による世界経済の混乱と、急激な為替円高変動。
 この2つの要因により国内の木材建材市場は、景気を牽引する好材料もないまま不透明な
 状況が続くことになりそうです。

 北欧材の一部の品目で流通在庫品薄が続くものの、円高に振れて模様眺めが強くなった。
 豪雨や天候不順が続く梅雨時で、国産材丸太の出材は合板、バイオマス関連に限定されている。
 イギリスのEU離脱が国内経済に今後どのような影響を与えるか?注視するほかない。
 
 
 2016年
  5 月

 一部のハウスメーカーやビルダーのプレカット需要は堅調であるが、5月GW連休後も目立った材料が
 なく全般的に荷動きが悪い。
 国内産杉、ヒノキの製材品の主要構造材や羽柄材の荷動きは悪い。
 輸入製材品は円高為替変動や大手の値下げにより特に米松小角類が弱い。

 国内産丸太はこれから水を吸い上げるため伐採が減少するため、柱用丸太の手当て買いが増えた。
 北欧材集成柱、間柱のど入荷不足が解消されたが、価格は横ばいで推移している。

 2013年に成立した建築物省エネ法が今年度より施行、義務化が始まったため、
 価格委員会では断熱材の品目表示の見直しを行った。
 
  2016年
  4 月
 
 熊本、大分で被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

 4月14日以降続く熊本地震の木材や建築資材への影響がどのようななるか注視していく必要がある。
 現時点では余震が続く中熊本、大分県の国産材産地の林業被害の調査が進んでいない。
 構造材、合板、下地材など主要な品目の価格動向を見守り軽率な仕入れは控えるべきと思われる。

 4月、年度が変わり新たな刷新を図りたいところではあるが、プレカット工場の受注も減少してきている。
 中国の経済減速が続き、国際指標となる為替や石油価格などの動向を注視するべき時期になる。

 国産材、北米材の荷動きは悪く、現状は依然として価格が弱く横ばい傾向になるが、輸入合板
 の入荷減少が続き北欧材間柱、筋交など端柄も品薄状況から価格強含みながら高値には寄り付かない。
 北米産針葉樹構造材も一部の品目を除き動きは悪い。

 
 

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